現在、国民医療費は年間30兆円超の規模ですが、団塊の世代が死亡するまでの間、毎年確実に、医療費負担が増加していきます。
2025年には国民医療費が70兆円を超える見通しとなっており、現在との差額である約40兆円を国民に公平に負担してもらうために、2013年以降から、メタボリック検診の結果によって、健康状態の悪い会社(健保組合)には、社会保険料を割り増し負担してもらおうという方策が立案化されました。
1. 健康診断結果の事後措置
産業保健師・看護師は、検診の結果に基づき、社員の健康を取り戻すための具体的な指導を、異常所見(C・D・E・F)のある方を中心に実施します。
異常所見者数を国内平均(約50%)以下に抑えることが、企業にとって、今後、経営上極めて重要なテーマになることが予想されます。
社員の健康状態が悪い会社(健保組合)には、よい人材が集まりにくくなる可能性もあり、産業医はもちろん、産業保健師・看護師の活用により、確実に社員の健康度を上げていくことが重要となります。
2. 健康相談
産業保健師・看護師の主な仕事は、会社に勤める社員の病気発生を未然に防ぐこと、
つまり予防に重点を置くことだと考えられます。
産業保健師・看護師は、社員から発せられる小さな不安・異変について、的確なアドバイスにより、病気発生を未然に防ぎ、大事に至らないようにすることを目的としています。
3. メンタルに関する相談
労災による被災者数は、全国で、毎年60万人といわれており、うち約2,000人が死亡するという状況が続いていますが、死因のうち「うつ病」による自殺者の割合が、毎年増加しています。
うつ病は、早めに治療すれば完治する病気ですが、強いストレス状態が長い間続いた場合、
完治できなくなる方の割合が増えてきています。
1度掛かってしまうと従来の実力を100%とした場合、70%程度の仕事しかできないようになってしまいます。
また、うつ病は、人事的な措置(配置転換/休職/残業制限など)を取ることで解決・改善できるケースが多いことから、「労災」と認定されやすく、遺族による損害賠償請求などの経営上、極めて大きなリスクに繋がる病気です。
産業保健師・看護師は、社員の異常を早期に発見し、治療が必要と判断した社員には、
産業医と連携し、医療機関受診をすすめます。
産業保健スタッフを活用し、早期発見と早期治療の開始をすることが、治癒への近道です。