保健師インタビュー①


B保健師プロフィール

内分泌科病棟での看護師勤務を経て、企業内の産業保健師となり
長年ご活躍されてきました。
現在は複数の企業と契約し健康管理室の立ち上げや従業員面談
などの健康支援業務に取り組んでいらっしゃいます。

産業保健は、看護職にとって人気の業界ですが、一人職場のことも多く、実際の働き方やキャリアがなかなか見えてこないものです。そこで、今回は、複数の企業で産業保健師として勤務されてきたB保健師に、「企業で働く保健師に求められていること、今後の目標、産業保健師を目指している保健師や看護師、転職を考えている保健師の皆さんへのアドバイス」などをお聞きしました。

1.保健師を目指したきっかけ

ーB保健師が産業保健師を目指そうと思ったきっかけを教えてください。

看護師として内分泌科の病棟で糖尿病患者さんの予防教育、教育入院を担当していたことが保健師に興味を持ったきっかけです。当初は行政の保健師を目指していたのですが、産業保健師求人を紹介してもらえたので企業に就職しました。
メールや書類の作成に不慣れでしたが、紹介会社のコーディネーターが履歴書や職務経歴書を添削してくれ、手厚くサポートしていただきました。

2.保健師として駆け出しのときに心がけたことや産業医との関わり

ー駆け出しのころに心がけたことはありますか。

一人職場だったので、孤立しないよう他の企業の保健師たちが集まる勉強会やさんぽセンターの研修に参加していました。何もわからないながらに情報収集に努めていました。

ー1人職場で働いていると産業医とも密に連携されていたと思いますが、先生との関わりはいかがでしたか。

最初の職場は、内科、精神科の産業医が一人ずつ在籍しており、先生の面談にすべて同席させていただきました。一人ずつ面談の後に、先生のフィードバックを解説していただき、大変学びになりました。

ー大変だったこと、よかったことのエピソードがあれば教えてください。

大変だったことは、駆け出しのころは従業員側に立ちすぎてしまい、会社に「なぜこうしてくれないの」と戦いを挑むようなスタンスでよく葛藤していたことでしょうか。
例えば休職復職対応は従業員の立場に立つだけではうまくいかず、職場の理解が必要です。受け入れ側も準備をしないと復職後うまくレールに乗っていくことができないです。会社組織や立場などを理解するにつれ、支援する姿勢が変わっていきました。
よかったエピソードは、企業では職場健診が年1回必ずあるため、健診結果を確認しながら疾病予防ができたり、従業員と会話をする機会が多かったりという状況で、ある従業員には薬を飲まずにコントロールしていく提案ができたことです。
がんの治療をしながら働く従業員には医務室にいることで就業中にケアができ、治療しながらどうやって働いていくのかも間近で見させていただきました。
産業保健師は従業員の家族背景だったり、その人の会社での立ち位置だったりが見える中で、その人ができそうなことを提案できます。理想論を押し付けない環境はすごくいいですね。

3.現在の働き方

ー現在はどんな働き方をしていますか。

業務委託契約をいくつかの企業と結び、保健指導や会社の健康管理室の立ち上げに関わっています。

ー正社員、業務委託と産業保健師は多様な働き方が選択できますが、今の働き方についてどのように考えていますか。

そのときのライフスタイルに合わせた働き方ができるのが、資格を持っている強みです。業務委託は時間の融通が利くので、家庭との両立ができています。

4.求められる産業保健師とは

ー企業はどのような保健師を求めているとお考えですか。

専門的な知識だけでなく、社会人マナーも必要とされていると思います。スキルがあり仕事ができることも大事かもしれませんが、周囲とコミュニケーションをとり、組織になじめることも重要だと思います。

ー「組織になじめるか」という点はとても重要ですね。

はい。前職と比較することなく、その職場の文化を理解しようとすれば、その組織での自分の居場所は見えてくると思います。

5.最後に

ーB保健師の今後の目標を教えてください。

「背伸びせずいつでも挑戦していく自分」で年を重ねていくのが目標です。与えられたものをこなすだけでなく、自分から提案や発信していきたいですね。30代のときに受けた採用試験の最終選考で落選したことがありました。採用された保健師が50代の方と聞いたときに「50代になっても正社員で採用される」ということが、逆に自信になりました。

ーこれから産業保健師を目指す方や今の職場から転職を考えている方にアドバイスをお願いいたします。

「変わりたい、転職したい」と考えたら、前職と比較するのではなくまったく新しい気持ちで飛び込んだらいいと思います。わからないことは学びながら、そして周りの人に聞きながらぜひ取り組んでみてください。応援しています。

ー本日は貴重なお話をありがとうございました。